両切りと葉巻の吸い方

何の事はない、フィルター付きタバコになれていると両切りや葉巻が旨く吸えないらしい
知人にこう相談された事があったが、解らないのは道理なのでさらっと書いておく

両切りの紙巻きたばこや葉巻は唇を押し当てる形で吸い込むとよろしい
その際、空気も混ぜて吸い込んでやれば軽くなるし、濃い味がよければ密着させれば良い
決してフィルター付きのように「ベッタリとくわえ込んではいけない」
葉巻の外側を巻いた葉がべとべとになってほどけてしまうし、両切りは巻紙がべとべとになるからね

最後に気をつける点は「慎重にゆっくり優しく吸い込もう」
フィルター付きだとつい、強く吸い込むがそれをすると猛烈にきついので注意するように
ゆっくり少しだけ吸い込むとたばこの本来の味が見えてくると思う

後は両切の場合シガレットホルダーを使うと、最後まで吸えて経済的にもお得だし
喫煙そのものにこだわりをもてるだろう

メシャムやブライヤーのホルダーが琥珀色に染まるのは実に見ていて楽しい物で
喫煙行為が文化的側面を持っているんだと実感できる

肺喫煙と口腔喫煙

そもそも肺喫煙は、短い時間で充足する為のシガレット独特の喫煙方法である
煙管・パイプ・葉巻は基本が口腔喫煙という、いわゆるフカシという吸い方でなのだ

何故、吸い方が異なるのかと言えば「満足できるかできないか」だけの差である
もちろんパイプや葉巻で肺喫煙したって全然構わないし、ピースを吸う時にふかしで吸ってくれてもいいのだ

ただ香りは鼻で感じる事が出来るが、味は口腔喫煙でないと解りにくいと思う

美味しい葉巻やパイプに夢中になるとクラクラとニコチン酔いすることもあるように
30分から1時間の至福はかけがえのない時間になるが、日常の糞忙しい時にそれはできっこない。
そんな時にパイプを吸いたいとかシガリロで済ますなんて時は、肺喫煙をしたって良いのだ。

シガレットもきつい銘柄を試す時は、ふかしで吸ってみたり
口を開いて空気と混ぜて吸い込むのも良いだろう。

タバコは嗜好品だからこそいろんな楽しみがあっていい
吸い方を変えて見て、いろんな楽しみを見つけて欲しい

タバコの保存方法

どんな形態のたばこであれ、保存方法はきちんと存在するのです
シガレットは乾燥しやすく、自動販売機で売られている事が多いので特に辛くなりやすい
梅雨時でもなければ、きちんと水分を足してやる必要がある。

うっかり忘れたタバコに火を付けて大層辛い味になった人も少なくないだろう
そんな時はタッパーにミカンの皮(柑橘系で匂いの強くない物)と一緒に半日密封しよう

くれぐれも入れすぎない様に・・・放置してしまうとカビを引き起こしてしまうので
決していれっぱなしは推奨出来ない事を書いておく。

葉巻をやってる人ならヒュミドールに放り込んでも良いだろう
(そんなもったいない事できないって?)

葉巻やパイプを嗜む人には、もはや常識とも言える加湿であるが、何故水分を足す必要があるのか?
思うに引火させた時、葉に含まれる水分が香気成分となって喫煙者の感じる「味」になるのだ
その為、一定のラインで湿度が含まれた方が美味しいタバコになるのではなかろうか

乾燥した方が味が解りやすいが、とがった味になりやすく辛くなる
湿気を足されたタバコはマイルドで柔らかくなるが、しすぎると味がぼやけてしまう

小粋は少し乾燥気味の方が味が美味しく感じるし
しんせいは元が辛いので加湿した方がマイルドで柔らかくなる

缶入りピースや手巻きタバコ(DRUM等)は密封で調整されているので、最初が一番美味しく吸える筈だ。
そんな些細な違いでも、タバコを楽しんでみると良いだろう

タバコは臭いという理論

愛煙家にとっては馥郁たる香りになる

香水にアンモニアが含まれているように、悪臭も又芳香となりうるのだ
そもタバコが臭いと言う理論は、少なくとも最近のシガレットの事であろう


・バーレー葉が多く使われる事で「刺激」ばかりが先行している

騙されたと思ってバージニア葉で作られているピース(10)か
アメリカンスピリット(お勧めはオーガニックかペリク)あたり
パイプなら英国ブレンドダンヒルあたりキューバの葉巻、手巻きならDRUMかGoldenVirginia
もしくは煙管で小粋を一度吸ってみると良いだろう


・低タールで味が薄くなると、必然香料を増やして行かなければ、満足できなくなる

巻いた紙に香料・添加物が増えれば、それだけ燃やした時にどんどん不快な匂いが増えていく。
メンソールが急に増えたのも「軽いタバコだとすった気にならない」と言う声を反映して
ハッカパイプのように強烈な刺激で「吸った気になるようにしている」だけである。

英国では添加物・香料に対して物凄い規制があるので、パイプタバコの英国ブレンドは美味しい物が多い。



・燃焼時間がとても早い

マルボロ3本の間にショートピース1本位だろうか?
喫煙という物は、とかく時間が本来はかかる物であった
爆発的に普及したのは、手軽に早く喫煙できると言うシガレットの恩恵とも言える

燃焼が早ければ、焦げを引き起こし味がよくわからなくなる、
紙巻きたばこもゆっくり吸うことで、味がはっきり解るようになるのだ
その為にクールスモーキングが推奨されるのだがそれを知らない人も多いだろう。


そんな訳で、たばこが臭いと言う人は喫煙者に禁煙を迫るのではなく
「銘柄や喫煙方法」を変えて貰うのも一つの手ではないだろうか。

喫煙との向き合い方

タバコとは・・・
日本では紙巻タバコ=煙草という表現が当たり前になっている

そもそも、そこからして喫煙に真剣ではない

紙巻きたばこで喫煙の本質は理解できない
葉巻、パイプたばこ、キセル、両切り、手巻き、水タバコetc・・・

喫煙行為をより深く探ろうとせず、やめる人や表面で満足する人間の多いこと
本当に喫煙をすると言う行為は、時間や手間暇を掛けてゆっくり味わうべきだ

週末に時間が取れれば、葉巻やパイプにかかるのも良いだろう
あるいは自分の手でひたすらタバコを巻いても良いし、縁側でキセルをくゆらすのも一興
そんな時間は物凄く趣味であると感じられる良い時間である


喫煙行為の奥深さを知らずして、表面的な事であれこれ言うのは資格がない

非喫煙者嫌煙家も紙巻きたばこしか知らずに苦情を言う人がいるが
葉巻やパイプ、キセルなどを取り出すと急に「よくわからないもの」として認識する


批判する側も喫煙者ももっともっと喫煙を知る事から始めよう
そうすれば、きっと妥協点がみつかるのではないかな